第10回ネット句会 講師選発表!
お待たせをしてすいませんでした。第10回ネット句会、俳句大学の講師のみなさんの選句結果をアップさせていただきます。今回は満徳さん、稲穂さんの分をアップさせていただきます。
★永田満徳選
【特選】
5 あるだけのおもちや出てくる三ヶ日 井伊辰也
正月は子や孫が帰省して大所帯となり、物も溢れかえることになる。掲句はそのことを「おもちや」に焦点化して、三ヶ日の雰囲気をよく表現している。
【秀逸】
49 ぽんと飛ぶ猫の着地の淑気かな 清水憲一
90 海を出て日は濡れてをり初景色 五島高資
120 禁煙の文字の再び賀状かな 山中みきを
190 手毬つくやうに弾みて初雀 熊谷房子
【佳作】
34 三世代ほほほアハハの三ケ日 北野和良
115 悪友の字が野太くて賀状かな 瓦すずめ
59 椀底に残る金粉淑気満つ 井伊辰也
130 病床の母への賀状束厚し 坂上雲
156 日だまりに込合つてゐる初雀 井伊辰也
★渡部稲穂選
【特選】
14 浮世絵は影なき世界三が日 隣安
まず、作者にとっての三が日という季語の本意を垣間見たようである。「浮世絵」という世界は影なき世界であり、また「三が日」も作者にとっては影のない世界であるよ。と取り合わせの距離感もほどよく、影=闇のない世界を願う作者の思いは詠み手のひとりとしてとても共感する。
【秀逸】
45 死ぬまでは全て余命や淑気満つ 坂上雲
118 誰よりも猫と似ている賀状かな 小酒井あゆみ
149 五年目の仮設の住所賀状受く 熊谷房子
【佳作】
53 箱根路の淑気分けゆく襷かな 牧内登志雄
116 旅果ててこの世に戻る賀状かな 渡邉春生
157 玉砂利や影をついばむ初雀 五島高資
101 御破算で願う行方や初景色 伊藤衒叟
139 歯の数とまた引き分けの賀状かな 山岸八萬星
以上です。
講師のみなさん、ありがとうございました!