俳句大学のネット句会用のブログです。このネット句会への参加資格は、Facebook内で俳句大学に「いいね」を押して頂いた方や俳句大学投句欄のメンバーの方、あるいは実際に俳句大学の講義を受講された方、またFacebookはやってないけどこのネット句会を知り、俳句大学の趣旨に賛同にして頂いた方(俳句大学の趣旨はリンク先の「俳句大学」のHPをご覧くださいませ)となっております。あまり固いことを言うつもりはございませんが、俳句が好きだけど様々な事情で句会に参加しにくい方や、所属する結社以外の方と句会を楽しんでみたい方など、多くのみなさんとこの場で句会を楽しんでいけたらと思っております。前記の条件だけで基本的にどなたでも参加可能ですが、一応大学と名乗らせてもらっている以上、ある程度の俳句の知識、そして向上心をもって取り組んで頂けたら幸いです。私自身もこの場でみなさんと一緒に楽しませて頂きたいと思っております。また試行錯誤しながら運営をしていきますので至らない点があろうかと思いますが、なにぶんご理解の上ご協力頂ければ幸いです。みなさんよろしくお願いいたします。

ネット句会、いままでありがとうございました♪

昨年度一年間ネット句会を通してみなさんと楽しませていただきありがとうございました。なかなか句会に出て行く環境にない方など、いろいろな方とこの場で俳句を楽しむことができて私自身楽しかったし大変勉強になりました。

みなさんそれぞれに俳句を楽しんでいって、またどこかの句座にてお会いできたらその節はよろしくお願いいたします。

 


第1回
≪7点句≫53 足裏に心臓のつぼ春愁ひ 津野利行
★永田満徳選:【特選】60 亀鳴くや汝を知れとソクラテス 清水憲一
★五島高資選:【特選】53 足裏に心臓のつぼ春愁ひ 津野利行
★中山宙虫選:【特選】75 古民家のカフェになりたる春の道 濱田美紀子

 

第2回
≪7点句≫13 採血の静脈褒めらるる薄暑 河野巌
★永田満徳選:【特選】84 子を産みて母の日がふと重くなり 小島寿々
★五島高資選:【特選】163 如意輪の三次曲線若葉風 佐藤日田路
★中山宙虫選:【特選】89 母の日やいびつなる子の塩むすび 熊谷房子

 

第3回
≪6点句≫5 かちかちと音立てて来る生ビール 井伊辰也
★永田満徳選:【特選】73 生きていることはリハビリ桜桃忌 坂上雲
★五島高資選:【特選】89 メロン切る情報過多の星を切る 山岸八萬星
★中山宙虫選:【特選】14 石仏のうつらうつらと青蜥蜴 高尾美紀

 

第4回
≪13点句≫17 夏菊や石一つ置く犬の墓 井伊辰也
★永田満徳選:【特選】54 永遠の戦後八月十五日 津野利行
★五島高資選:【特選】144 炎天やスカイツリーへ回し蹴り 井伊辰也
★中山宙虫選:【特選】151 七月の魔女はタンゴを口ずさむ 小島寿々

 

第5回
≪8点句≫291 一匹は回らぬねずみ花火かな 井伊辰也

 

第6回
≪6点句≫17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
≪6点句≫56 父探すちちろの方におるかもと 瓦すずめ
★永田満徳選:【特選】78 好意てふ圧力のあり曼珠沙華 宮野緒幌
★五島高資選:【特選】44 シュレッダーに呑み込まるる文字小鳥来る 谷原恵理子
★中山宙虫選:【特選】131 保線夫のトロッコ行くや曼珠沙華 大関博美

 

第7回
≪12点句≫178 世渡りが下手で秋刀魚が大好きで 関野義高
★永田満徳選:【特選】85 天体図の星から星へ秋の蠅 井伊辰也
★五島高資選:【特選】20 長き夜や近くにゐてもゐなくても 川岡末好
★中山宙虫選:【特選】21 まなうらに栖む鶺鴒の飛び去らず 西村楊子
★渡部稲穂選:【特選】120 白秋や火星にありし水の跡 宮野緒幌

 

第8回
≪8点句≫64 瞑想に耽けるライオン冬麗 村上ヤチ代
★永田満徳選:【特選】52 障子閉むなべて物事紙一重 川岡末好
★中山宙虫選:【特選】9 ポン菓子のポンを遠くに冬うらら 髙橋雅城

 

第9回
≪7点句≫56 世を忘れ世に忘れられ除夜の鐘 十河智
≪7点句≫131 巡回の医師の髭濃し聖夜なり 坂上雲

 

第10回
≪12点句≫53 箱根路の淑気分けゆく襷かな 牧内登志雄
★永田満徳選:【特選】5 あるだけのおもちや出てくる三ヶ日 井伊辰也
★渡部稲穂選:【特選】14 浮世絵は影なき世界三が日 隣安

 

 

※間違いなどありましたら、お手数ですが津野までご連絡ください。
本当にみなさん、どうもありがとうございました。

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(平成28年4月18日・修正)

津野 利行

第10回ネット句会 みなさんからの特選句へのコメントです!

第10回ネット句会、みなさんの特選句へのコメントをアップさせていただきます。順不同にてお許しくださいませ。また、コメントのコピペ落ちやコメントそのものの落ち・ダブり、または選者の間違いなどありましたら津野までご連絡くださいませ。

 

渡辺栄一さんのコメントを拾い忘れておりました。2/9に追記させて頂きました。すいませんでした。

 


【井伊辰也】
特選:126 外国に住みて賀状のいつか消え
海外で14回目の正月を迎えた私にとって、共感せずにはいられない句。日本とはネットや電話で簡単にやりとりが出来るのだが、ちょっとしたことで取り残されていると感じてしまうことがある。年賀状は、まさにそのトリガーの一つだ。


【遠音】
<特選>53 箱根路の淑気分けゆく襷かな
まず、中七の措辞にうならされました。箱根駅伝はテレビ観戦しかしたことがありませんが、それでも、あふれんばかりの沿道の人々が振る小旗、それが波のようにさざめいて日に照り輝くあの光景は、圧倒されます。その声援を「淑気」、そしてその中をゆくランナーの様子を「分けゆく」とした措辞が秀逸でした。声援と祝福に満ちた応援の波を掻き分けるように、ランナーが力を尽くして走り抜けてゆく光景が、まざまざと浮かんできます。中七だけではなく全体的にも完成度が高い句だと思います。


【亜仁子】
一番いいとして、142番の俳句を選択いたしました。
この俳句の基底部は、【年に数回また合える】です。今年もまた何回も会えると信じています。残念ながら、仕事で忙しくて、数回しか会えません。干渉部は、【賀状書く】です。年賀状に、「今年も宜しくお願いします」と書きながら、今年も何回も会いましょうと信じています。基底部の言葉続きには、作者の希望がよく感じることができると思っております。


【野島正則】
特選5
この句から伝わってくる、大きな景に圧倒されます。初日の出を待つ新年の緊張感がとても良いと思います


【瓦すずめ】
148一族の眉太き顔年賀状
普段合わない親戚から年賀状が送られてきたのでしょうか。そこで、親戚の顔を思い浮かべてみる。皆眉が太い。自分も太い。一年の始まりに、一族の血のつながりを実感した、自分のルーツを確認できたということで、主人公が元気が出ているように思え、こちらも元気を分けてもらえるように思いました。


【坂上雲】
特選 75 真白なタオル厠の淑気かな
今回のお題はすべて新年、新春、正月の季語で、五つの句を作り分けるのが難しかったです。この季語でなければ、という必然性を生み出し、季語を効かすことが私はあまりできませんでした。
その中でこの句は「淑気」と普通は結びつかない「厠の真白いタオル」という意表を突くものをぶつけて来て、まさに二物衝撃のお手本のような句になっていると思いました。トイレのタオルが新品の真っ白いものに変わっていることで、トイレにも新春の瑞祥をかんじるというその発想、着眼点が素晴らしいです。


【北野和良】
(特選) 120 禁煙の文字の再び賀状かな
禁煙は難しいもの。一度決心して取り組んでも挫折する。作者の友人も一度禁煙に失敗して、年初新たに禁煙するとの賀状を出すことで自分を奮い立たせているのだろう。そんな賀状を受けた作者の「頑張れよ、今度はきっと成功するから」という気持ちを察することの出来る句だ。


【桑本栄太郎】
53)箱根路の淑気分けゆく襷かな
正月2日、3日の大学対抗箱根駅伝は最早正月の名物イベントとなりました。今年も往路・復路とも圧倒的強さで青山学院大学が栄冠を手にしました。上り坂、下り坂の起伏の多いい山道を懸命に走る光景はまさに、正月の「淑気を分ける」ようでした。


【蓼科川奈】
特選句21 購ひし日記探すや三が日
新年に気持ちを新たに日記を書き始めなければと、買っておいた日記を探す。とても共感を覚えて新年の自分の姿を重ね合わせました。そしてどことなく優しさも感じられるこのお句が好きです。新年らしい素敵なお句だと思います。


【西村楊子】
137抽出しに在る一枚の賀状かな
いろいろ想像が膨らむ一句です。①書いた後で訃報があった。②ほかの人と一緒の束からは外した大事な人からの賀状③出そうとして書いたが躊躇して出さずじまいだった賀状。私は③の読みが好きです


【碩真由美】
特選9:「三ヶ日ポストのぞく子背伸びして」
子供の頃を懐かしく思い出しました。配達される年賀状を日に何度も確認しにポストをのぞきにゆく。「背伸び」とあるからまだ小学校前のお子さんでしょうか。一時ケータイメールで済ませたこともありましたが、やはり紙として残る年賀状に勝るものはありません。もう「背伸び」はしなくなりましたが、年賀状を待つ気持ちは句中の「子」といまも変わりません。


【熊谷房子】
特選95 ヘラジカの深き足跡初景色
ヘラジカの大きさは、どれ位と詠んでいないが、『深き足跡』でその大きさを思わせる秀句である。初景色の中の足跡はなにか神聖なものでも見る思いだったのだろう。


【五島高資】
特選 75 真白なタオル厠の淑気かな
用便は毎日の大事な生理現象。一年の初め改めて健康を祈る思いが真白なタオルに覗われる。その淑気に厠の神もお喜びのことと思う。


【十河智】
特選句は、53
箱根駅伝の雰囲気が、すべて、この一句の中に言い表されている。若者が、持つエネルギーが、張り詰めたシュッ木を打ち破って動き出す、年初の大イベントをよく表現できている。


【山中みきを】
162 特選
選句をさせていただくとき、どの句が句としてよいのかということより、共感できるのはどの句かということでしかまだまだ選ぶことができません。この句は、対象の細かな観察があります。作者の意図するところと同じかどうかはわかりませんが、「人間の社会も同じだなあ。」という共感です。


【清水憲一】
特選128
賀状の中には申と大きく書かれたものがあり、さらにこの賀状の字は飛白の書体であった。それを詠者が珍しさの余り句にしたのだろう。その日常の出来事を素直に切り取る姿勢に共感した。尚飛白体は空海が中国から日本に筆法を持ち帰ったとされている。


【山岸八萬星】
特選は、68。
中七の「尻引き締まる」が効いてます。赤ちゃんゆえにおむつの中身のことが想像できますが、それと「淑気」のつかず離れずの取り合わせが面白いですね。


【小酒井あゆみ】
特選 116 悪友の字が野太くて賀状かな
思わずニヤリとしてしまいました。若い頃、ちょっとやんちゃした仲間なのでしょうか…そういう悪友は未だにワイルドで、しぶとくて、でも憎めなくて…男性が作者でしょうか?熱い友情を感じました。


【髙橋亜紀彦】
9 三ヶ日ポストのぞく子背伸びして
兎に角、可愛いです!!ヽ(^o^)丿


【檜鼻鬼旬】
特選 30 三ヶ日日一枚を積み重ね
句のリズムというか響きが好きです。瞬く間にすぎゆく三ケ日。来年も今年のような三ケ日が迎えられるかなぁと願いつつ年の初めを祝いました。


【隣安】
47 アルプスの白く横たふ淑気かな
白く横たふ、という何気ない描写に惹かれました。普段から見慣れた光景が季語と出会った時、厳かさを纏うのは俳句の醍醐味だと思います。


【牧内登志雄】
特選は「189」賭して下さい。コメントは下記のとおりです。
雀の行動をよく観察しているとおもいます。「初雀」ということで、少し着膨れてふっくり、新しい年を迎えての御挨拶ついでに、いろいろと不景気な世間話が弾んだのでしょう。「あ、もう行かなくちゃ」と慌てて飛び立っていく雀たちが、可愛く詠まれていますね。


【伊藤衒叟】
(特選)128 申の字の飛白の光る賀状かな
「飛白の光る」の巧みな措辞が、句の型の美しさによって一際に映えています。躍動する筆の景も感じられました。


【村上ヤチ代】
特選・53 箱根路の淑気分けゆく襷かな
箱根駅伝をめでたさと荘厳さで詠んでいると思いました。


【茂木ひさを】
特選:174
選句理由:前に書いた選句理由でお願いします。


【山野辺草民】
特選53.  箱根路の淑気分けゆく襷かな
箱根の山を早朝一気に下っていく復路のイメージでとらえた。箱根路の淑気という遠景から、襷へクローズアップする展開は見事。分かりやすくて格調高い句だと思います。


【佐藤日田路】
特選68 這い這いの尻引き締まる淑気かな
這い這いとある。乳用児である。引き締まった句である。人間ほど成人までの成育が長い動物は珍しい。乳を吸っていた児が、這い這い、そしてつかまり立ち、二足歩行。尻が引き締まり、次のステップも近い。成長は、実に厳粛な生命の営みである。「かな」の詠嘆が利いている


【大久保俊克】
126 外国に住みて賀状のいつか消え
外国に住みと病院と 似ています 寂しいです


【関野義高】
特選句:68這い這いの尻引き締まる淑気かな
赤ちゃんのお尻に注目するユニークさ。そして新たな年と、新たな命を言祝ぐ相乗効果が、新年詠の本質にふさわしいと思います。


【加納裕】
特選116 旅果ててこの世に戻る賀状かな
週刊誌の鬼、扇谷正造は「人生というものは旅である。ただし、この旅は片道切符しかない。」と語った。泉下の客となった者より戻って来た賀状。眺める背中は何時もより老け込んでみえる


【手塚偉智朗】
特選  64  はにかみて妻の淑気や薄化粧
ご主人だけに見せるとびきりの笑顔を、覗いてしまったような、何とも申し訳ない句です。(笑)惜しむらくは、中七で、切れを入れたことでしょうか。


【髙橋信治】
鶴亀の着物姿に初景色【特選】
鶴亀というお正月飾りを詠んだことで、新しい年明けの光景が浮かんでくる佳句です。


【渡邉春生】
特選149 五年目の仮設の住所賀状受く
めでたい新年ですが、「仮設の住所」に賀状を受ける、いうなれば、今年も自宅へ戻ることなく6年目に入るという、深刻な現実なのです。この句の余白には、言い知れぬものが詰まっています。社会性俳句とか時事俳句ではない、生活者の叫びが聞こえてくるような俳句です。


渡辺栄一】
特選句 189 初雀喋り尽くして飛立てり
雀の鳴き声の騒がしさはまさしくお喋りのごとく、朝鳴き声を聴くとその日は晴れて、夕刻鳴き声を聴くと翌日は雨、そんなことを聞いたことがあります。この句が朝・夕のどちらを読まれたかはわからないけれど、散々話し尽くして一斉に飛び立つスズメたち冬の天気をあれこれ話し合ったいたのだろう。


【谷原恵里子】
特選  湖は仄かに動き初景色
元日の静かな湖にまっすぐに向き合う作者。仄かに動きがいい。
ほとんど動かない穏やかな湖にも、優しい仄かな動きがあり、希望が感じられる、調べも美しいお句。


【津野利行】
5 あるだけのおもちや出てくる三ヶ日
せっかくのお正月三が日、お父さんもおじいちゃん、おばあちゃんもいたりする。子供にとっては自分の財産であるおもちゃを見てもらう年に一度の大チャンスですよね。子供らの得意げな顔、ちらかったおもちゃも喜んでいるように思います。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。特選句以外の選などにつきましては、宜しければブログコメント欄や各自FBページなどにて反省会をしていただければ幸いです。次回のネット句会でお会いできますでしょうか!w
それではみなさん、ひとまずさようなら!

 

俳句大学ネット句会担当/津野利行

第10回ネット句会 講師選発表!

 

お待たせをしてすいませんでした。第10回ネット句会、俳句大学の講師のみなさんの選句結果をアップさせていただきます。今回は満徳さん、稲穂さんの分をアップさせていただきます。

 

★永田満徳選

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【特選】
あるだけのおもちや出てくる三ヶ日 井伊辰也
正月は子や孫が帰省して大所帯となり、物も溢れかえることになる。掲句はそのことを「おもちや」に焦点化して、三ヶ日の雰囲気をよく表現している。

 

【秀逸】
49 ぽんと飛ぶ猫の着地の淑気かな 清水憲一
90 海を出て日は濡れてをり初景色 五島高資
120 禁煙の文字の再び賀状かな 山中みきを
190 手毬つくやうに弾みて初雀 熊谷房子

 

【佳作】
34 三世代ほほほアハハの三ケ日 北野和良
115 悪友の字が野太くて賀状かな 瓦すずめ
59 椀底に残る金粉淑気満つ 井伊辰也
130 病床の母への賀状束厚し 坂上雲
156 日だまりに込合つてゐる初雀 井伊辰也

 

 

★渡部稲穂選

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【特選】
14 浮世絵は影なき世界三が日 隣安
まず、作者にとっての三が日という季語の本意を垣間見たようである。「浮世絵」という世界は影なき世界であり、また「三が日」も作者にとっては影のない世界であるよ。と取り合わせの距離感もほどよく、影=闇のない世界を願う作者の思いは詠み手のひとりとしてとても共感する。

 

【秀逸】
45 死ぬまでは全て余命や淑気満つ 坂上雲
118 誰よりも猫と似ている賀状かな 小酒井あゆみ
149 五年目の仮設の住所賀状受く 熊谷房子
 


【佳作】
53 箱根路の淑気分けゆく襷かな 牧内登志雄
116 旅果ててこの世に戻る賀状かな 渡邉春生
157 玉砂利や影をついばむ初雀 五島高資
101 御破算で願う行方や初景色 伊藤衒叟
139 歯の数とまた引き分けの賀状かな 山岸八萬星

 


以上です。
講師のみなさん、ありがとうございました!

第10回ネット句会 選句結果発表!

第10回ネット句会の選句ありがとうございました。
句や名前の間違い、自分の句ではないなどの間違いがありましたら津野まで連絡願います。今回も特選句2点、並選句1点として点盛りをさせて頂いた結果でございます。高資さんの点は加えられており、満徳さんの点は入っておりません。満徳さんの選は後日講師選にて。


コメントは、ブログのコメント欄やFacebookで私へのメッセージで頂いておりますが、ブログコメント欄は順次オープンさせて頂きますので、そちらでもご覧いただけますのでお楽しみ頂ければ幸いです。

 


≪12点句≫
53 箱根路の淑気分けゆく襷かな 牧内登志雄

 

≪10点句≫
5 あるだけのおもちや出てくる三ヶ日 井伊辰也

 

≪7点句≫
9 三ヶ日ポストのぞく子背伸びして 遠音

 

≪6点句≫
68 這い這いの尻引き締まる淑気かな 隣安
174 初雀実家の朝の早きかな 野島正則

 

≪5点句≫
75 真白なタオル厠の淑気かな 西村楊子
128 申の字の飛白の光る賀状かな 五島高資
189 初雀喋り尽くして飛立てり 西村楊子

 

≪4点句≫
90 海を出て日は濡れてをり初景色 五島高資
95 ヘラジカの深き足跡初景色 井伊辰也
126 外国に住みて賀状のいつか消え 茂木ひさを
137 抽出しに在る一枚の賀状かな 斎藤信義
148 一族の眉太き顔年賀状 谷原恵理子
149 五年目の仮設の住所賀状受く 熊谷房子

 

≪3点句≫
14 浮世絵は影なき世界三が日 隣安
21 購ひし日記探すや三が日 牧内登志雄
30 三ヶ日日一枚を積み重ね 永田満徳
47 アルプスの白く横たふ淑気かな 山野辺草民
64 はにかみて妻の淑気やうす化粧 桑本栄太郎
89 山稜のあはき茜や初景色 桑本栄太郎
109 鶴亀の着物姿に初景色 渡辺栄
110 湖は仄かに動き初景色 小酒井あゆみ
112 初景色富士を小島に雲の海 渡邉春生
120 禁煙の文字の再び賀状かな 山中みきを
154 人の世の恐る恐るや初雀 津野利行
159 初雀一両電車の駅の空 谷原恵理子
173 初雀気楽に生きて良しと鳴く 蓼科川奈

 

≪2点句≫
32 上州の風吹き止みし三が日 茂木ひさを
34 三世代ほほほアハハの三ケ日 北野和良
37 練乳が空っぽですよ三ヶ日 佐藤日田路
45 死ぬまでは全て余命や淑気満つ 坂上雲
62 にえたぎる南部鉄瓶淑気満つ 野島正則
67 道祖神変はらぬ顔の淑気かな 遠音
77 車椅子押す孫のいて初景色 坂上雲
84 野良猫の車庫に寝転ぶ初景色 津野利行
91 初景色一匹と足止めてをり 遠音
93 ふるさとの屛風なす山初景色 永田満徳
108 野良猫が生き抜いてをり初景色 瓦すずめ
111 繋がらぬものを夢てふ初景色 斎藤信義
115 悪友の字が野太くて賀状かな 瓦すずめ
116 旅果ててこの世に戻る賀状かな 渡邉春生
119 友でいる男女の交はす初便り 関野義高
134 親に似た子のぞろぞろと年賀状 山野辺草民
136 日本よりの賀状幾度も読み返し 井伊辰也
141 芋版画赤き尻出す年賀状 牧内登志雄
142 賀状書く年に数回また会える 大久保俊克
157 玉砂利や影をついばむ初雀 五島高資
160 空青く生まれてきたる初雀 高橋信治
162 逃げるのも逃げぬのもいる初雀 関野義高
163 警策の音に飛び立つ初雀 渡辺栄
180 豹柄のお尻ふりふり初雀 北野和良
185 若者に銃を持たすな初雀 高橋亜紀

 

≪1点句≫
6 三ヶ日酔ひ浦島のごとくなり 加納裕
11 地上へと出る地下鉄や三ヶ日 五島高資
13 お茶の間に寝仏となる三が日 山野辺草民
15 毎日の散歩しながら三ヶ日 大久保俊克
19 検温の度に賀詞述ぶ三ヶ日 坂上雲
20 白線と火薬の匂い三ヶ日 小酒井あゆみ
22 三門に国旗揺れをり三ヶ日 蓼科川奈
26 朝寝して朝湯朝酒三ヶ日 野島正則
35 三日はや納豆飯とわかめ汁 熊谷房子
36 三ケ日夢まぼろしと過ぎりけり 清水憲一
38 三ケ日父無き荘にアロエ咲く 碩真由美
41 洗顔の水の透明淑気満つ 村上ヤチ代
44 清らかな闇の中なる淑気かな 斎藤信義
52 淑気満つ諏訪の湖面に鳥一羽 渡辺栄
54 首都高の間に間に光り落つ淑気 津野利行
55 日の出待つ浜広々と淑気かな 十河智
57 爆音のなき沖縄や淑気満つ 渡邉春生
58 淑気満つ赤備え攻む古戦場 手塚偉智朗
59 椀底に残る金粉淑気満つ 井伊辰也
61 淑気満つ道ゆく人の顔(かんばせ)も 高橋亜紀
63 橋渡る淑気に流れ川の音 高橋信治
69 淑気満ち砂紋きわだつ古都の庭 蓼科川奈
70 狭庭には狭庭の淑気満たしをり 永田満徳
72 鐘が鳴る初めて聞こえる淑気かな 大久保俊克
74 かはたれの竹林の道淑気満つ 茂木ひさを
79 初景色旧き燈台上りたり 牧内登志雄
94 初景色凛々しき音の徹りけり 加納裕
107 初景色キリコの作に迷ひ込む 山岸八萬星
113 五回目の干支迎ひけり初景色 檜鼻鬼旬
114 松林の姿勢正せり初景色 山野辺草民
117 七度目の母の干支ある賀状 野島正則
121 賀状来て心の隅に地平線 高橋信治
122 一句添え友に無沙汰の年賀状 手塚偉智朗
123 賀状なき年の始めの頼りなさ 蓼科川奈
129 賀状来て彼の人とまた繋りぬ 西村楊子
135 文字だけのバンカラ友の賀状読み 渡辺栄
138 念願の家族写真の年賀状 村上ヤチ代
145 年々と賀状持つ手がとほざかり 加納裕
147 おもひ出をさらりと浮かべ賀状見る 桑本栄太郎
153 ねぶれども伍拾弐円や初雀 伊藤衒叟
155 園はまだお休みですよ初雀 山中みきを
168 足跡を見つけしは姉初雀 遠音
171 スリッパの音に散りたる初雀 斎藤信義
176 初雀地雷をよける国のあり 山岸八萬星
177 仏殿の鴟尾よりこぼれ初雀 清水憲一
187 初雀辺野古の海のテント村 渡邉春生
190 手毬つくやうに弾みて初雀 熊谷房子

 


追って皆さんから頂いた選句のコメントなどをまとめてアップさせて頂く予定です。また、先生方の選の結果もアップさせて頂きたいと思いますので、そちらもお楽しみになさってください。


寒い日が続きますが体調管理に気を付けて、日々俳句を楽しんでまいりましょう。それでは、また!


俳句大学ネット句会担当/津野利行

第10回ネット句会 選句お願いします!

俳句大学の第10回ネット句会に、多数のご参加いただきありがとうございます。下記をよく読んで選句してください。

 

まずは投句した自分の句と名前があるかどうか、そして投句した句と違ってないかチェックしてみてください。間違いなどがあったら下記の選句受付開始時間までに津野まで連絡下さい。
選句は投句と同様に、ブログのコメント欄に記入頂く、またはFacebookの津野へ直接メール頂くの方法で、他人にわからないようにお願いいたします。

 

★選句受付開始:平成28年1月16日(土)午前0時1分

★選句受付締切:平成28年1月20日(水)午後11時59分

 

参加者は下記の38名(津野入力順・敬称略にて)です。
斎藤信義、亜仁子、高橋信治、津野利行、山岸八萬星、伊藤衒叟、遠音、瓦すずめ、桑本栄太郎、茂木ひさを、坂上雲、十河智、山中みきを、高橋亜紀彦、渡辺栄一、谷原恵理子、手塚偉智朗、佐藤日田路、村上ヤチ代、渡邉春生、五島高資、清水憲一、関野義高、北野和良、蓼科川奈、西村楊子、小酒井あゆみ、碩真由美、大久保俊克、永田満徳、檜鼻鬼旬、井伊辰也、熊谷房子、隣安、牧内登志雄、野島正則、加納裕、山野辺草民

 


選句方法:選句は番号でお知らせください。
五句選で、五つの「新年」の各兼題から一句ずつの選句をするというルールで楽しみましょう。五句の中からうち一句特選を選び、特選句の選句理由や感想などのコメントを添えてください。

 

 

句は作者を伏せて兼題ごとにランダムに並べてあります。

1 石室の学徒の頃や三ヶ日
2 お笑ひのテレビ枕と三ヶ日
3 ポカリ浮く雲を眺めて三ヶ日
4 ステーキも寿司も立ち食ひ三が日
5 あるだけのおもちや出てくる三ヶ日
6 三ヶ日酔ひ浦島のごとくなり
7 一通り家族の儀式三が日
8 何はともなく黄昏るる三が日
9 三ヶ日ポストのぞく子背伸びして
10 受験生神社めぐりて三ヶ日
11 地上へと出る地下鉄や三ヶ日
12 三が日千寿万寿と空けにけり
13 お茶の間に寝仏となる三が日
14 浮世絵は影なき世界三が日
15 毎日の散歩しながら三ヶ日
16 手酌するバーのマダムの三が日
17 古き歌眠りを誘ふ三が日
18 芸人のツッコミ緩し三ヶ日
19 検温の度に賀詞述ぶ三ヶ日
20 白線と火薬の匂い三ヶ日
21 購ひし日記探すや三が日
22 三門に国旗揺れをり三ヶ日
23 毎年の部屋に籠りし三が日
24 晴れわたる水色天(そら)や三ヶ日
25 玄関に靴ならびをり三ヶ日
26 朝寝して朝湯朝酒三ヶ日
27 正論と世相むかふる三ヶ日
28 富士山の姿眺める三ヶ日
29 三ヶ日弔い止まる筈もなき
30 三ヶ日日一枚を積み重ね
31 食い倒れ楽観の中の三ヶ日
32 上州の風吹き止みし三が日
33 戦跡を訪ねて重し三が日
34 三世代ほほほアハハの三ケ日
35 三日はや納豆飯とわかめ汁
36 三ケ日夢まぼろしと過ぎりけり
37 練乳が空っぽですよ三ヶ日
38 三ケ日父無き荘にアロエ咲く

39 神詣で手を取りおうて淑気かな
40 格闘家勝ち名乗りあげ淑気浴ぶ
41 洗顔の水の透明淑気満つ
42 ほろ酔ひの北枕にも淑気満つ
43 東山魁夷の緑淑気満つ
44 清らかな闇の中なる淑気かな
45 死ぬまでは全て余命や淑気満つ
46 淑気満ちはためく「がんばっぺ常総
47 アルプスの白く横たふ淑気かな
48 淑気満つ枝も梢もまぶしけり
49 ぽんと飛ぶ猫の着地の淑気かな
50 割らずとも個包装たる淑気かな
51 雲の無き空を見上がる淑気かな
52 淑気満つ諏訪の湖面に鳥一羽
53 箱根路の淑気分けゆく襷かな
54 首都高の間に間に光り落つ淑気
55 日の出待つ浜広々と淑気かな
56 太極拳今朝の手先を淑気かな
57 爆音のなき沖縄や淑気満つ
58 淑気満つ赤備え攻む古戦場
59 椀底に残る金粉淑気満つ
60 東海道海原開きぬ淑気かな
61 淑気満つ道ゆく人の顔(かんばせ)も
62 にえたぎる南部鉄瓶淑気満つ
63 橋渡る淑気に流れ川の音
64 はにかみて妻の淑気やうす化粧
65 鄙なれど四千年の淑気満つ
66 ロープウェイ山頂駅に淑気かな
67 道祖神変はらぬ顔の淑気かな
68 這い這いの尻引き締まる淑気かな
69 淑気満ち砂紋きわだつ古都の庭
70 狭庭には狭庭の淑気満たしをり
71 高みには遺跡ある山淑気かな
72 鐘が鳴る初めて聞こえる淑気かな
73 陽をまとふ松葉蘭より淑気立つ
74 かはたれの竹林の道淑気満つ
75 真白なタオル厠の淑気かな
76 淑気満つ世界遺産の平泉

77 車椅子押す孫のいて初景色
78 きらきらと光るものあり初比叡
79 初景色旧き燈台上りたり
80 沼歩き大橋渡る初景色
81 淀川に映る青空初景色
82 トップ切り奔る箱根の初景色
83 青空の烏合の衆や初景色
84 野良猫の車庫に寝転ぶ初景色
85 見下ろして島山港初景色
86 朝夕と見上ぐる山や初景色
87 初景色隣る電柱邪魔なりし
88 富士を見て心に浮かぶ初景色
89 山稜のあはき茜や初景色
90 海を出て日は濡れてをり初景色
91 初景色一匹と足止めてをり
92 鳥鳴くや麓の中に初景色
93 ふるさとの屛風なす山初景色
94 初景色凛々しき音の徹りけり
95 ヘラジカの深き足跡初景色
96 初景色姿勢正してをりにけり
97 すべり台すべる子供の初景色
98 カスケイド山脈光る初山河
99 初景色漉きたるやうに隅田川
100 我が犬の友頂に初景色
101 御破算で願う行方や初景色
102 霊山の胸付八丁初景色
103 初景色葉のはらはらと白川通
104 多摩川に亡犬重ね初景色
105 なんとまあ瀬音ゆかしき初景色
106 パノラマの裾野引く富士初景色
107 初景色キリコの作に迷ひ込む
108 野良猫が生き抜いてをり初景色
109 鶴亀の着物姿に初景色
110 湖は仄かに動き初景色
111 繋がらぬものを夢てふ初景色
112 初景色富士を小島に雲の海
113 五回目の干支迎ひけり初景色
114 松林の姿勢正せり初景色

115 悪友の字が野太くて賀状かな
116 旅果ててこの世に戻る賀状かな
117 七度目の母の干支ある賀状
118 誰よりも猫と似ている賀状かな
119 友でいる男女の交はす初便り
120 禁煙の文字の再び賀状かな
121 賀状来て心の隅に地平線
122 一句添え友に無沙汰の年賀状
123 賀状なき年の始めの頼りなさ
124 気になるは賀状届かぬ友のこと
125 絵葉書に俳句を詠んで年賀状
126 外国に住みて賀状のいつか消え
127 一筆の文言嬉し賀状かな
128 申の字の飛白の光る賀状かな
129 賀状来て彼の人とまた繋りぬ
130 病床の母への賀状束厚し
131 午前のみ兌換紙幣の賀状かな
132 忘れませうと賀状の親子写真
133 年賀状差出人の違ひけり
134 親に似た子のぞろぞろと年賀状
135 文字だけのバンカラ友の賀状読み
136 日本よりの賀状幾度も読み返し
137 抽出しに在る一枚の賀状かな
138 念願の家族写真の年賀状
139 歯の数とまた引き分けの賀状かな
140 ルアンパバーン空はあをあを初便り
141 芋版画赤き尻出す年賀状
142 賀状書く年に数回また会える
143 学名を先ずラテン語で師の賀状
144 達筆の失せし賀状置きて次
145 年々と賀状持つ手がとほざかり
146 一行に友思ひだす賀状かな
147 おもひ出をさらりと浮かべ賀状見る
148 一族の眉太き顔年賀状
149 五年目の仮設の住所賀状受く
150 天国の父から届く賀状かな
151 賀状来し「猿年」てふ字見つけたり
152 「来年はもうやめます」と賀状来る

153 ねぶれども伍拾弐円や初雀
154 人の世の恐る恐るや初雀
155 園はまだお休みですよ初雀
156 日だまりに込合つてゐる初雀
157 玉砂利や影をついばむ初雀
158 その柄を詳らかにし初雀
159 初雀一両電車の駅の空
160 空青く生まれてきたる初雀
161 吾が影の過ぎり群れ翔つ初雀
162 逃げるのも逃げぬのもいる初雀
163 警策の音に飛び立つ初雀
164 チュンチュンと初雀鳴く日の出かな
165 音楽の父はバッハや初雀
166 初雀小物買ひして帰るさの
167 退院の車に寄るや初雀
168 足跡を見つけしは姉初雀
169 竹青に声のみありぬ初雀
170 バス通り出でて遊ぶや初雀
171 スリッパの音に散りたる初雀
172 初雀松の上枝に二羽三羽
173 初雀気楽に生きて良しと鳴く
174 初雀実家の朝の早きかな
175 初雀もう来てるよと母の声
176 初雀地雷をよける国のあり
177 仏殿の鴟尾よりこぼれ初雀
178 雨戸より一筋の光初すずめ
179 初雀群れてはしゃいでまた飛んで
180 豹柄のお尻ふりふり初雀
181 初雀遠慮がちなる今朝の声
182 初雀桃色の服揺れてをり
183 しめしめと注連に群がる初雀
184 赤い実の名前は何と初雀
185 若者に銃を持たすな初雀
186 初雀湯気の匂いに朝ご飯
187 初雀辺野古の海のテント村
188 郎党で鳥居に参る初雀
189 初雀喋り尽くして飛立てり
190 手毬つくやうに弾みて初雀
(以上)

【管理人:元 俳句大会通信教育学部ネット句会科/津野 利行】