俳句大学のネット句会用のブログです。このネット句会への参加資格は、Facebook内で俳句大学に「いいね」を押して頂いた方や俳句大学投句欄のメンバーの方、あるいは実際に俳句大学の講義を受講された方、またFacebookはやってないけどこのネット句会を知り、俳句大学の趣旨に賛同にして頂いた方(俳句大学の趣旨はリンク先の「俳句大学」のHPをご覧くださいませ)となっております。あまり固いことを言うつもりはございませんが、俳句が好きだけど様々な事情で句会に参加しにくい方や、所属する結社以外の方と句会を楽しんでみたい方など、多くのみなさんとこの場で句会を楽しんでいけたらと思っております。前記の条件だけで基本的にどなたでも参加可能ですが、一応大学と名乗らせてもらっている以上、ある程度の俳句の知識、そして向上心をもって取り組んで頂けたら幸いです。私自身もこの場でみなさんと一緒に楽しませて頂きたいと思っております。また試行錯誤しながら運営をしていきますので至らない点があろうかと思いますが、なにぶんご理解の上ご協力頂ければ幸いです。みなさんよろしくお願いいたします。

第7回ネット句会 選句結果発表!

第7回ネット句会の選句ありがとうございました。しかしすごい数ですねw、みんな俳句が好きなんだなと思いましたわw。
前回に続いて「やっちまったな~」なんですが、今回、大関博美さんから頂いていた句を拾いもらしてしまい、後からの追加になってしましました。大関さん、大変申し訳ありませんでした。


句や名前の間違い、自分の句ではないなどの間違いがありましたら津野まで連絡願います。今回も特選句2点、並選句1点として点盛りをさせて頂いた結果でございます。また、みなさんから特選句へのコメントを頂いておりますので、追ってこちらにブログにアップしてまいりたいと思います。


コメントは、ブログのコメント欄やFacebookで私へのメッセージで頂いておりますが、ブログコメント欄は順次オープンさせて頂きますので、そちらでもご覧いただけますので先行してお楽しみ頂ければ幸いです。

 

≪12点句≫
178 世渡りが下手で秋刀魚が大好きで 関野義高

 

≪9点句≫
212 祖父となる父の饒舌新走 井伊辰也

 

≪8点句≫
34 ひと駅を歩く別れや秋しぐれ 渡辺すすむ

 

≪7点句≫
76 満月や天に子宮のあるらしき 西村楊子

 

≪6点句≫
47 一度だけただ一度だけ林檎噛む 小酒井あゆみ
133 銀漢や嘘かも知れぬ宇宙論 十河智
158 夜明け前蓮の実飛びて父となり 高尾美紀
159 父といふ肩巾ありし秋祭 渡辺すすむ

 

≪4点句≫
9 先生の恋の話や秋茜 宮野緒幌
17 恋占ふ水の中まで秋日濃し 谷原恵理子
20 長き夜や近くにゐてもゐなくても 川岡末好
68 人妻に戻るスイッチ乱れ萩 佐藤日田路
85 天体図の星から星へ秋の蠅 井伊辰也
90 今はまだ青き地球や薄紅葉 津野利行
103 とろろ汁地球人とて宇宙人 山岸八萬星
131 星流る迷いのすべて燃やしつつ 高尾美紀
160 手袋の父の形に残りをり 小酒井あゆみ
189 父と子の二人三脚秋高し 大川典巨
190 その中に父の聲ある芋煮会 渡辺すすむ
193 父来れば父の庭なる萩日和 濱田美紀子
199 ただ一度父のげんこつ榠櫨の実 佐藤日田路

 

≪3点句≫
4 恋一つポンと浮かべて月見酒 手塚偉智朗
鶴瓶落としこの恋強制終了す 俣江美智子
18 父に似た顔立ちに惚れ芋煮会 津野利行
30 この街に恋得し日々や酔芙蓉 熊谷房子
33 いつまでも恋に恋して照紅葉 高尾美紀
44 秋の海「あのね」と君の切り出せり 井伊辰也
54 後の月愛され方も忘れたわ 津野利行
59 恋絵馬をかたりと鳴らし秋は行く 谷原恵理子
91 星飛んで宙の傾く念佛寺 清水憲一
110 足一本捨てきし飛蝗青空へ 谷原恵理子
111 宅配の天地無用や秋高し 西村楊子
144 宇宙にてたったひとりで百物語 瓦すずめ
148 新牛蒡父直伝のだんご汁 井伊辰也
161 馬鈴薯の味噌汁好きな父なりし 野島正則
164 赤い羽根父の背広に刺ししまま 西村楊子
166 農の父背広着てをり文化祭 桑本栄太郎

 

≪2点句≫
2 さよならと綴る背の指星月夜 檜鼻鬼旬
10 そら豆をつるりと剥きて愛刹那 牧内登志雄
15 寝化粧に胸たかまりし十三夜 大川典巨
21 まなうらに栖む鶺鴒の飛び去らず 西村楊子
52 眼の合ひてまだ恋未満枇杷の花 山中みきを
63 誤解から始まる恋や青蜜柑 熊谷房子
67 この人と生きて行きます秋桜 高尾美紀
77 ウルトラの母満月を持ち帰る 大川典巨
81 木の実落つ戦艦ヤマトの波動砲 野島正則
96 網膜の底に広がる天の川 高尾美紀
100 もう会はぬ人のまなざし天の川 遠音
106 弟と宇宙を論ず灯火親し 濱田美紀子
107 ハヤブサに未来を託し小鳥来る 手塚偉智朗
115 われわれは宇宙のかけら雪迎へ 佐藤日田路
116 星合の空に行き交う夜行便 北野和良
117 地球より月の小さき穴まどひ 津野利行
121 三日月の大荷物載せ沈みたり 山中みきを
130 昼月のひときは白く冬に入る 渡辺すすむ
141 この恋を解凍したい冬銀河 坂上雲
152 サクマ缶カラカラの音父の音 牧内登志雄
153 父の背の何も教へぬ木守柿 津野利行
174 燈火親し父に丁稚の時有りて 熊谷房子
185 折り合いのつかぬ父逝き晩夏光 山中みきを
188 亡き父の句帖の余白秋寂し 清水憲一
196 幻月や吾もまた一人の父であり 加納裕
202 秋の蚊を打ち損なひて父笑ふ 遠音
203 野分あと山のにおいの父の墓 小酒井あゆみ
208 父の団栗独楽長く回りをり 村上ヤチ代
216 老父の足洗ふ音良夜かな 大関博美

 

≪1点句≫
1 別れたと聞ひて即ち鳳仙花 濱田美紀子
3 唇を待つ唇や星月夜 井伊辰也
6 秋北斗チェックメイトと言わせたり 小酒井あゆみ
11 秋桜やなほあまりある恋の風 山中みきを
24 奪われて奪いし毛布夜寒かな 村上伸太郎
26 寄り添つて妻と分け合ふ房葡萄 清水憲一
27 好き嫌ひ栗の毬抜く娘かな 山岸八萬星
35 今どきの恋の手紙の夜長かな 関野義高
39 振り向いてもらふつもりがへこきむし 濱田美紀子
40 後の月大人のキスを教わりぬ 加納裕
42 残菊や上の句だけの文来り 山野辺草民
50 君おもふゆゑに吾あり酔芙蓉 桑本栄太郎
56 後朝(きぬぎぬ)の香りは知らず白秋忌 坂上雲
57 枯野道ただただ歩く告げもせで 十河智
61 秋惜しむたびに痩せゆく女の背 渡辺すすむ
64 尼僧とて恋もあらふか秋衣 牧内登志雄
71 八朔を剥く不器用な君のため 小島寿々
79 秋蝶に淡き鱗粉ニュートリノ 佐藤日田路
83 やはらかく海空つなぐ秋夕焼 牧内登志雄
87 オリオンに光もらいて星流る 陣内良輔
93 星月夜光子素粒子億光年 十河智
95 月に泣く私は幼な子抱きしめて 浦川裕文
105 鈴虫の鳴けば星々またたきぬ 川岡末好
108 奪ひ合ふ星の片隅冬近し 関野義高
112 友悼む酒杯の中に星走る 加納裕
113 果てしなき夢見し頃や天の川 桑本栄太郎
114 銀漢の流れの果てや観世音 清水憲一
118 地に湧きて宙に満つるや虫時雨 大川典巨
120 白秋や火星にありし水の跡 宮野緒幌
123 伸ばす手や空飛ぶ箒に乗る月夜 檜鼻鬼旬
125 雨冷えや私の星は冥王星 小島寿々
135 素粒子や色なき風の中通ふ 熊谷房子
136 天狼を突き刺すやうに流れ星 山野辺草民
140 上弦の月を肴に旅の宿 手塚偉智朗
145 長いものに巻かるるべしと月の母 川岡末好
146 仏壇に父の遺書在り木守柿 清水憲一
147 父の日や帰りを待てば亥の刻に 瓦すずめ
162 一度父に叩かれし日よ鷹渡る 俣江美智子
172 話尽きぬ夜長を父に怒鳴らるる 川岡末好
173 秋の風我が子は父をいかに見ん 陣内良輔
180 おでん屋の父に付き合ふ烏龍茶 津野利行
183 夜業の手とめて泣く子の背を撫でに 瓦すずめ
186 色変へぬ松や岳父の片手酌 恩田富太
201 好色は父親譲り熟柿かな 山野辺草民
207 父頑固母は柔和にとろろ擂る 川岡末好
210 飲食(おんじき)の父唄ひだす秋納め 桑本栄太郎
214 秋の虹愛告げるためペダル漕ぐ 大関博美
215 オリオンの剣の太刀筋流れ星 大関博美

 

 

追って皆さんから頂いた選句のコメントなどをまとめてアップさせて頂く予定です。また、先生方の選の結果もアップさせて頂きたいと思いますので、そちらもお楽しみになさってください。


晩秋から間もなく冬がやってきますね。引き続き体調管理に気を付けて、日々俳句を楽しんでまいりましょう。それでは、また!


俳句大学ネット句会担当/津野利行

第7回ネット句会 選句お願いします!

 

 俳句大学の第7回ネット句会に、多数のご参加いただきありがとうございます。

下記の要領で選句願います。

 

まずは投句した自分の句があるかどうか、そして句が間違ってないかチェックしてみてください。間違いなどがあったら下記の選句受付開始時間までに津野まで連絡下さい


選句受付開始:平成27年10月26日(月)午前8時00分~
※すいませんが、受付開始の時間以降に選句を送ってください。

選句締切:平成27年10月28日(水)~午後11時30分


選句は投句と同様に、ブログのコメント欄に記入頂く、またはFacebookの津野へ直接メール頂くの方法で、他人にわからないようにお願いいたします。

 

 

 


参加者は下記の41名(津野入力順・敬称略にて)です。
坂上雲、小島寿々、村上伸太郎、山岸八萬星、清水憲一、十河智、桑本栄太郎、瓦すずめ、村上ヤチ代、加納裕、大久保俊克、亜仁子、津野利行、西村楊子、熊谷房子、佐藤日田路、谷原恵理子、川岡末好、浦川裕文、陣内良輔、濱田美紀子、大川典巨、北野和良、檜鼻鬼旬、中川洋子、高尾美紀、井伊辰也、山田紗由美、手塚偉智朗、渡辺すすむ、山中みきを、山野辺草民、関野義高、小酒井あゆみ、牧内登志雄、遠音、宮野緒幌、野島正則、恩田富太、俣江美智子、記入漏れ1名

 


選句方法:選句は番号でお知らせください
六句選で、うち一句特選を選び、特選句の選句理由や感想などのコメントを添えてください。

 

 

句は作者を伏せてテーマごとにランダムに並べてあります。

※2015/10/24 10:50 一名分記入漏れのため、「214~216」追記させていただきました。すいませんでした。

※2015/10/24 16:10 25番の句「林檎?く」→「林檎剥く」に修正させていただきました。

※2015/10/24 19:00 94番の句、最後の「夜」の文字が落ちていたので修正させていただきました。

 

 

『恋愛』
1 別れたと聞ひて即ち鳳仙花
2 さよならと綴る背の指星月夜
3 唇を待つ唇や星月夜
4 恋一つポンと浮かべて月見酒
5 見つめ合ふ瞳の奥の大銀河
6 秋北斗チェックメイトと言わせたり
鶴瓶落としこの恋強制終了す
8 花カンナあらぬ処へ火つけせる
9 先生の恋の話や秋茜
10 そら豆をつるりと剥きて愛刹那
11 秋桜やなほあまりある恋の風
12 菊膾襟を正して頬寄せり
13 手作りの紅葉の栞君のため
14 秋の海アルファロメオの助手席に
15 寝化粧に胸たかまりし十三夜
16 我が心咲し菊花の君なりき
17 恋占ふ水の中まで秋日濃し
18 父に似た顔立ちに惚れ芋煮会
19 螻蛄鳴く淋しさ募る恋心
20 長き夜や近くにゐてもゐなくても
21 まなうらに栖む鶺鴒の飛び去らず
22 亡き君を呼べば応ふやほしづく夜
23 跳ねて恋黄色の二羽に秋の蝶
24 奪われて奪いし毛布夜寒かな
25 林檎剥く彼女の髪を解くように
26 寄り添つて妻と分け合ふ房葡萄
27 好き嫌ひ栗の毬抜く娘かな
28 握手して春の別れや京都駅
29 地獄とは恋のかなわぬ長き夜か
30 この街に恋得し日々や酔芙蓉
31 顔色を覗き蟷螂夫となる
32 冷めたティー君待つ喫茶店(カフェ)の秋の宵
33 いつまでも恋に恋して照紅葉
34 ひと駅を歩く別れや秋しぐれ
35 今どきの恋の手紙の夜長かな
36 冬紅葉またねと触れし細き指
37 恋占ひ客の途切れて夜食かな
38 君からのメールを消去秋の夜
39 振り向いてもらふつもりがへこきむし
40 後の月大人のキスを教わりぬ
41 メッセンジャーもラインも来ない夜長かな
42 残菊や上の句だけの文来り
43 二歩前を歩く君の背赤蜻蛉
44 秋の海「あのね」と君の切り出せり
45 十六夜の片恋は片恋のまま
46 怖づ怖づとつまくれなゐに弾かれし
47 一度だけただ一度だけ林檎噛む
48 咲きそめし野菊に彼のこゑがある
49 秋の雨恋水顔を濡らしけり
50 君おもふゆゑに吾あり酔芙蓉
51 月綺麗君への想いその光
52 眼の合ひてまだ恋未満枇杷の花
53 キャバ嬢の真白き胸のレモン味
54 後の月愛され方も忘れたわ
55 シャンパンの泡見つめ合う星の恋
56 後朝(きぬぎぬ)の香りは知らず白秋忌
57 枯野道ただただ歩く告げもせで
58 寿やきんもくせいに幸の香
59 恋絵馬をかたりと鳴らし秋は行く
60 晩秋やメビウスの輪の愛交わす
61 秋惜しむたびに痩せゆく女の背
62 こひしくていとしくてつくつくぼふし
63 誤解から始まる恋や青蜜柑
64 尼僧とて恋もあらふか秋衣
65 微熱ある君の横顔唐楓
66 指先をからめて黙す野分後
67 この人と生きて行きます秋桜
68 人妻に戻るスイッチ乱れ萩
69 月の面(も)の光(ひ)映す瞳の君を抱く
70 榧の実の温もり伝ふ恋愛論
71 八朔を剥く不器用な君のため
72 あのひとの雌雄知らんや文化の日
73 浮き雲の愛し言葉に蜻蛉釣
74 彼が脱ぐ手袋を抱く我が手かな
75 紅葉かつ散るを弾きてナオミ来る
214 秋の虹愛告げるためペダル漕ぐ

 

『宇宙』
76 満月や天に子宮のあるらしき
77 ウルトラの母満月を持ち帰る
78 ニュートリノ身体突きぬけ銀河濃し
79 秋蝶に淡き鱗粉ニュートリノ
80 ニュートリノ カミオカンデに光る秋
81 木の実落つ戦艦ヤマトの波動砲
82 ペガサスの黒髪を追ふ羽音かも
83 やはらかく海空つなぐ秋夕焼
84 金策の目処たち今日の月明し
85 天体図の星から星へ秋の蠅
86 百代の過客となりぬ星月夜
87 オリオンに光もらいて星流る
88 夜目遠目笠の内なる無月かな
89 飛ぶ星とユーフォー踊る闇夜かな
90 今はまだ青き地球や薄紅葉
91 星飛んで宙の傾く念佛寺
92 惑星の壁紙を買う暮の秋
93 星月夜光子素粒子億光年
94 筑波嶺の消したる空に星月夜
95 月に泣く私は幼な子抱きしめて
96 網膜の底に広がる天の川
97 秋深し呼び合ふやうな星と星
98 水星の壁から霧の打つメール
99 爽籟や群なす星のささやけり
100 もう会はぬ人のまなざし天の川
101 銀漢を厠に行きし時仰ぐ
102 冬の星我らは素粒子から成る
103 とろろ汁地球人とて宇宙人
104 銀漢を見上げ携帯そつと出し
105 鈴虫の鳴けば星々またたきぬ
106 弟と宇宙を論ず灯火親し
107 ハヤブサに未来を託し小鳥来る
108 奪ひ合ふ星の片隅冬近し
109 盃の銀河写せる小宇宙
110 足一本捨てきし飛蝗青空へ
111 宅配の天地無用や秋高し
112 友悼む酒杯の中に星走る
113 果てしなき夢見し頃や天の川
114 銀漢の流れの果てや観世音
115 われわれは宇宙のかけら雪迎へ
116 星合の空に行き交う夜行便
117 地球より月の小さき穴まどひ
118 地に湧きて宙に満つるや虫時雨
119 宇宙てふ母なる胎内ほろろいし
120 白秋や火星にありし水の跡
121 三日月の大荷物載せ沈みたり
122 ベランダに流星待ちつくしゃみする
123 伸ばす手や空飛ぶ箒に乗る月夜
124 高き空赤に輝く火星かな
125 雨冷えや私の星は冥王星
126 秋の星光の旅路幾万年
127 望遠鏡のピント合はすも冬支度
128 刈萱や熊野の夕日波に揺れ
129 鎌鼬蒼穹の天両断す
130 昼月のひときは白く冬に入る
131 星流る迷いのすべて燃やしつつ
132 秋天や見上る我は宇宙(そら)の孤児
133 銀漢や嘘かも知れぬ宇宙論
134 ギザ十のはたして有るか星月夜
135 素粒子や色なき風の中通ふ
136 天狼を突き刺すやうに流れ星
137 星流れほのかに光る石まとふ
138 六角の銀河抱きて地は叫ぶ
139 宇宙ステーション通る月夜へ梯子架け
140 上弦の月を肴に旅の宿
141 この恋を解凍したい冬銀河
142 ひび割れの氷を覆う星の秋
143 長き夜やスターウォーズの覚醒ぞ
144 宇宙にてたったひとりで百物語
145 長いものに巻かるるべしと月の母
215 オリオンの剣の太刀筋流れ星

 

『父』
146 仏壇に父の遺書在り木守柿
147 父の日や帰りを待てば亥の刻に
148 新牛蒡父直伝のだんご汁
149 一口の水求む父夏逝けり
150 父の背のぬくみは知らず紫苑咲く
151 父祖代の威光あらたか櫨紅葉
152 サクマ缶カラカラの音父の音
153 父の背の何も教へぬ木守柿
154 秋の音父のピアノにフォーエバー
155 父の忌のまた雪が降るアスファルト
156 守宮這ふ夜の玻璃戸に父の影
157 嫁ぐ秋もとの二人に戻りけり
158 夜明け前蓮の実飛びて父となり
159 父といふ肩巾ありし秋祭
160 手袋の父の形に残りをり
161 馬鈴薯の味噌汁好きな父なりし
162 一度父に叩かれし日よ鷹渡る
163 秋味に笑ふ父をば遺影とす
164 赤い羽根父の背広に刺ししまま
165 ささやかな父の賄い酢橘置
166 農の父背広着てをり文化祭
167 千草刈る父の背中に帰郷告ぐ
168 秋の昼父の無骨なスープかな
169 コート着て学校に来し忘れ物
170 宵闇に父なる人の背中かな
171 庭に行き葡萄狩りする父の趣味
172 話尽きぬ夜長を父に怒鳴らるる
173 秋の風我が子は父をいかに見ん
174 燈火親し父に丁稚の時有りて
175 紫苑挿す月命日に父の部屋
176 酒飲みは親父譲りの今宵月
177 霧の海帽子の父がゐるやうな
178 世渡りが下手で秋刀魚が大好きで
179 かへり咲くたんぽぽの黄の夢持てり
180 おでん屋の父に付き合ふ烏龍茶
181 鷹の爪実は私は父でない
182 ショベル持ち耕す父に蚕豆植う
183 夜業の手とめて泣く子の背を撫でに
184 金色の枯野を歩く親子かな
185 折り合いのつかぬ父逝き晩夏光
186 色変へぬ松や岳父の片手酌
187 お笑ひのテレビ遠くに秋の父
188 亡き父の句帖の余白秋寂し
189 父と子の二人三脚秋高し
190 その中に父の聲ある芋煮会
191 父母のいない花野や七回忌
192 母の愚痴取りあはぬ父熟柿かな
193 父来れば父の庭なる萩日和
194 一年も眠り覚めない父秋の風
195 父墓前供えの菊も枯れ果てり
196 幻月や吾もまた一人の父であり
197 人を呼ぶことが好き花の宴
198 秋うらら屋根を修理の父の声
199 ただ一度父のげんこつ榠櫨の実
200 栗飯に徳利一本父の貌
201 好色は父親譲り熟柿かな
202 秋の蚊を打ち損なひて父笑ふ
203 野分あと山のにおいの父の墓
204 下手な字は親父に似たりおもひ草
205 子の見上ぐ鳩吹きの父揚々と
206 シャツを脱ぎ案山子を立てる父の庭
207 父頑固母は柔和にとろろ擂る
208 父の団栗独楽長く回りをり
209 逸れ弾の父はかうして熟柿かな
210 飲食(おんじき)の父唄ひだす秋納め
211 稲干して称名唱う父の忌に
212 祖父となる父の饒舌新走
213 眼裏に父母のアルバム零余子
216 老父の足洗ふ音良夜かな


(以上)

第7回ネット句会 開催いたします!

俳句大学がお届けするネット句会も第7回目、今回から今年度の下半期、後半戦に入ってまいります。今回も日ごろお目にかかれないみなさんと、この場を通じて句会を楽しみたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

また、今回の兼題などについてご意見、アイディアなどを頂いたFB俳句仲間のみなさん、ありがとうございました!この場を借りて改めて御礼申し上げます♪

 


『俳句大学・第7回ネット句会』
 

【兼題】
1.「恋愛」をテーマにした句
2.「宇宙・天体」をテーマにした句
3.「」をテーマにした句
※どの兼題も必ずしもそれらの文字等を詠みこむ必要はなく、あくまで「テーマ」ということでご理解ください。発表の際にはどのテーマの句かをわかるようにアップさせて頂くようにさせて頂きます。

 

【投句締切】
平成27年10月22日(木)午後11時00分

 

 

【投句方法】
1.なるべく、このページの『コメントを書く』欄へ記入にて投句願います。投句受付時のコメント欄は非公開になっているので、管理者のみ閲覧できるように設定してあります(句会終了時に一斉公開とさせて頂きます)。
2.ブログコメント欄への投句が困難な方に限り、Faebookの津野利行宛にメッセージにて投句してください(私と友達登録をしていなくてもメッセージを受け取れるようになっております)。

 

 

【注意事項】
1.上記各兼題(テーマ)につき二句ずつ合計六句まで投句可能とします。一つの兼題で三句以上の投句は三句目以降の句を無効として受付させて頂きます。また、どの兼題の句かを明示してください。
2.投句は一度にまとめてしてくださるようにお願いします。ばらばら送られるとミスの元ですのでご理解くださいませ。また、一度投句して頂いた句の訂正、取り下げはできません。前述六句以上投句の順位変更もNGとさせて頂きます。
3.投句頂いた句はネット上に公開されてしまうので、応募作にしたい句などの投句にはご注意ください。
4.投句の際には必ず名前を書き添えてください。俳号でも本名でも構いませんが名前をフルネームで書き添えてください。「永田満徳」、「五島高資」など下記のように『最後に一度だけ』書き添えてください。全句の後に記名頂かなくて結構です
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《投句例》
まだ奥に部屋ありそうな水羊羹
星の夜や井戸は海へとつづきけり
夕立にならんで公務員である
五島高資
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.その他ご質問は津野までよろしくお願いいたします。

 

ネット句会担当:津野利行

俳句大学ネット句会 下半期の予定

 

みなさん、こんにちは。俳句大学のネット句会、上半期が終わりました。下半期の予定を下記にアップさせて頂きます。下半期も引き続きよろしくお願いいたします。

 

尚、上半期を終えて、参加していただいたみなさんの感想、ご意見などございましたら、ざっくばらんに津野まで、若しくは、このブログのコメント欄にでもいただければ幸いです。一人でやっておりますので、こんなんでいいのかな?と思う面もありまして、ヒントになるお話などいただけたらうれしく思っております。

 

 

【ネット句会予定】2015年下半期

10月:15日(木)投句募集スタート、22日(木)投句締切

11月:13日(金)投句募集スタート、19日(木)投句締切

12月:10日(木)投句募集スタート、17日(木)投句締切

1月:2日(土)投句募集スタート、11日(火)投句締切 ※気合の新年詠

2月:8日(月)投句募集スタート、15日(月)投句締切 ※俳句大学講義連動句会

3月:14日(月)投句募集スタート、22日(火)投句締切

※予定は変更になる場合がございますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 

 

ネット句会担当:津野利行

第6回ネット句会 講師選発表!

お待たせをしてすいませんでした。第6回ネット句会、俳句大学の講師の永田満徳、五島高資、中山宙虫のお三方に選句をして頂きましたので下記にアップさせていただきます。

※句や作者の間違い、コピペ落ちなどありましたら、お手数ですが津野まで連絡くださいませ。

 

★永田満徳選

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【特選】
78 好意てふ圧力のあり曼珠沙華 宮野緒幌
「好意」を抱かれることはいいに越したことはないが、押し付けがましい「好意」はむしろストーカーに纏わりつかれるようで、一種の「圧力」に思われるものである。そういう意味で、「曼珠沙華」の過剰なまでの花弁とよく響きあっている。


【秀逸】
3 とんばうのつるみて日暮れさそひけり 渡辺すすむ
12 ヨーグルトすすりてずずず生身魂 瓦すずめ
68 秋の蚊を連れて耳鼻科の待合室 清水憲一
77 実は落ちて重さを忘れる林檎かな 高橋信治


【佳作】
17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
38 ファインダー覗く片目や秋深し 高尾美紀
64 谷川のこゑの太りし鬼くるみ 渡辺すすむ
88 西瓜食ふ種は何処まで飛ばそうか 牧内登志雄(祐)
122 残る蚊の打つまでもなく吹いてみる 宮野緒幌
127 この川の水のむために鮭のぼる 目黒航

 


★五島高資選

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【特選】
44 シュレッダーに呑み込まるる文字小鳥来る 谷原恵理子
シュレッダーが消すべきは紙ではなく文字による情報である。情報に形はないが意味があり、小鳥には形もあれば魂もある。消え去る情報と飛来する小鳥に、現代における秋の寂しさとそれを癒してくれる有情とが絶妙に共鳴して響き合っている。


【秀逸】
21 銀漢に届けとばかり椅子を積み 北野和良
28 雨音と紡ぐ帳や夜のちちろ 大関博美
70 待ちぼうけ口尖らせて秋刀魚焼く 小島寿々
107 眼から露も零れる痰を引く 菊池洋勝


【佳作】
6 秋の雲電話の電池切れにけり 菊池洋勝
17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
27 落陽に溶くるタンカー秋岬 井伊辰也
29 熟柿の打据ゑられてゐる下校 恩田富太
38 ファインダー覗く片目や秋深し 高尾美紀

 


★中山宙虫選

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【特選】
131 保線夫のトロッコ行くや曼珠沙華 大関博美
おそらく単線ののどかな鉄道の景色。トロッコの音も秋の日差しもやさしい時間に違いない。そしてこの景色が心に貼りついてゆく。曼珠沙華咲き誇るのどかさは次第に郷愁へとつながっていくのだ。


【秀逸】
17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
69 俎板の水を動かぬ月夜かな 山岸八萬星
118 秋の陽やワイングラスにある指紋 熊谷房子


【佳作】
3 とんばうのつるみて日暮れさそひけり 渡辺すすむ
12 ヨーグルトすすりてずずず生身魂 瓦すずめ
44 シュレッダーに呑み込まるる文字小鳥来る 谷原恵理子
59 草の絮舞ひ込む五階会議室 井伊辰也

 

以上です。
お三方ありがとうございました!

【管理人:元 俳句大会通信教育学部ネット句会科/津野 利行】