第8回ネット句会 講師選発表!
お待たせをしてすいませんでした。第8回ネット句会、俳句大学の講師のみなさんの選句結果をアップさせていただきます。今回、五島高資さんは句会に参加して頂いたので、永田満徳、中山宙虫のお二人分です。尚、渡部稲穂さんはお休みです。
★永田満徳選
【特選】
52 障子閉むなべて物事紙一重 川岡末好
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』で、日本文化を障子から読み取ったが、外と内を障子という「紙一重」で隔てて、物事を済ませている日本人の知恵には敬意を払うものがある。ただ、近年障子文化が廃れつつあるのは悲しいことである。掲句はそのことを考えさせてくれる。
【秀逸】
65 梟の後ろ姿を誰も見ぬ 清水憲一
76 炉話の佳境に爆ぜる土佐の炭 山野辺草民
112 冬ぬくし路地の奥までチンドン屋 渡辺すすむ
163 小春日や大地てふ名の直売所 高尾美紀
【佳作】
45 裏山の雪降り止まぬ見舞かな 牧内登志雄
48 着ぶくれて己が腕を探すなり 髙橋雅城
99 雪蛍一緒に泣いて呉れますか 清水憲一
124 百円で何でも買へる冬籠 津野利行
★中山宙虫選
【特選】
9 ポン菓子のポンを遠くに冬うらら 髙橋雅城
冬うららの季語がぴったりときました。「遠く」には距離の遠くもあるが、過去の自分と向き合う時間もありそうで。
【秀逸】
83 朝市の大根砲のごと担ぐ 坂上雲
109 七つ目の駅より仰ぐ冬の雲 遠音
136 雑踏が風避けになる晦日かな 菊池洋勝
【佳作】
65 梟の後ろ姿を誰も見ぬ 清水憲一
70 冬波の愛かと想ふテトラポット 佐藤日田路
以上です。
講師のみなさん、ありがとうございました!