俳句大学のネット句会用のブログです。このネット句会への参加資格は、Facebook内で俳句大学に「いいね」を押して頂いた方や俳句大学投句欄のメンバーの方、あるいは実際に俳句大学の講義を受講された方、またFacebookはやってないけどこのネット句会を知り、俳句大学の趣旨に賛同にして頂いた方(俳句大学の趣旨はリンク先の「俳句大学」のHPをご覧くださいませ)となっております。あまり固いことを言うつもりはございませんが、俳句が好きだけど様々な事情で句会に参加しにくい方や、所属する結社以外の方と句会を楽しんでみたい方など、多くのみなさんとこの場で句会を楽しんでいけたらと思っております。前記の条件だけで基本的にどなたでも参加可能ですが、一応大学と名乗らせてもらっている以上、ある程度の俳句の知識、そして向上心をもって取り組んで頂けたら幸いです。私自身もこの場でみなさんと一緒に楽しませて頂きたいと思っております。また試行錯誤しながら運営をしていきますので至らない点があろうかと思いますが、なにぶんご理解の上ご協力頂ければ幸いです。みなさんよろしくお願いいたします。

第6回ネット句会 講師選発表!

お待たせをしてすいませんでした。第6回ネット句会、俳句大学の講師の永田満徳、五島高資、中山宙虫のお三方に選句をして頂きましたので下記にアップさせていただきます。

※句や作者の間違い、コピペ落ちなどありましたら、お手数ですが津野まで連絡くださいませ。

 

★永田満徳選

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【特選】
78 好意てふ圧力のあり曼珠沙華 宮野緒幌
「好意」を抱かれることはいいに越したことはないが、押し付けがましい「好意」はむしろストーカーに纏わりつかれるようで、一種の「圧力」に思われるものである。そういう意味で、「曼珠沙華」の過剰なまでの花弁とよく響きあっている。


【秀逸】
3 とんばうのつるみて日暮れさそひけり 渡辺すすむ
12 ヨーグルトすすりてずずず生身魂 瓦すずめ
68 秋の蚊を連れて耳鼻科の待合室 清水憲一
77 実は落ちて重さを忘れる林檎かな 高橋信治


【佳作】
17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
38 ファインダー覗く片目や秋深し 高尾美紀
64 谷川のこゑの太りし鬼くるみ 渡辺すすむ
88 西瓜食ふ種は何処まで飛ばそうか 牧内登志雄(祐)
122 残る蚊の打つまでもなく吹いてみる 宮野緒幌
127 この川の水のむために鮭のぼる 目黒航

 


★五島高資選

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【特選】
44 シュレッダーに呑み込まるる文字小鳥来る 谷原恵理子
シュレッダーが消すべきは紙ではなく文字による情報である。情報に形はないが意味があり、小鳥には形もあれば魂もある。消え去る情報と飛来する小鳥に、現代における秋の寂しさとそれを癒してくれる有情とが絶妙に共鳴して響き合っている。


【秀逸】
21 銀漢に届けとばかり椅子を積み 北野和良
28 雨音と紡ぐ帳や夜のちちろ 大関博美
70 待ちぼうけ口尖らせて秋刀魚焼く 小島寿々
107 眼から露も零れる痰を引く 菊池洋勝


【佳作】
6 秋の雲電話の電池切れにけり 菊池洋勝
17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
27 落陽に溶くるタンカー秋岬 井伊辰也
29 熟柿の打据ゑられてゐる下校 恩田富太
38 ファインダー覗く片目や秋深し 高尾美紀

 


★中山宙虫選

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【特選】
131 保線夫のトロッコ行くや曼珠沙華 大関博美
おそらく単線ののどかな鉄道の景色。トロッコの音も秋の日差しもやさしい時間に違いない。そしてこの景色が心に貼りついてゆく。曼珠沙華咲き誇るのどかさは次第に郷愁へとつながっていくのだ。


【秀逸】
17 秋彼岸てのひらで拭く黒御影 西村楊子
69 俎板の水を動かぬ月夜かな 山岸八萬星
118 秋の陽やワイングラスにある指紋 熊谷房子


【佳作】
3 とんばうのつるみて日暮れさそひけり 渡辺すすむ
12 ヨーグルトすすりてずずず生身魂 瓦すずめ
44 シュレッダーに呑み込まるる文字小鳥来る 谷原恵理子
59 草の絮舞ひ込む五階会議室 井伊辰也

 

以上です。
お三方ありがとうございました!

【管理人:元 俳句大会通信教育学部ネット句会科/津野 利行】