俳句大学のネット句会用のブログです。このネット句会への参加資格は、Facebook内で俳句大学に「いいね」を押して頂いた方や俳句大学投句欄のメンバーの方、あるいは実際に俳句大学の講義を受講された方、またFacebookはやってないけどこのネット句会を知り、俳句大学の趣旨に賛同にして頂いた方(俳句大学の趣旨はリンク先の「俳句大学」のHPをご覧くださいませ)となっております。あまり固いことを言うつもりはございませんが、俳句が好きだけど様々な事情で句会に参加しにくい方や、所属する結社以外の方と句会を楽しんでみたい方など、多くのみなさんとこの場で句会を楽しんでいけたらと思っております。前記の条件だけで基本的にどなたでも参加可能ですが、一応大学と名乗らせてもらっている以上、ある程度の俳句の知識、そして向上心をもって取り組んで頂けたら幸いです。私自身もこの場でみなさんと一緒に楽しませて頂きたいと思っております。また試行錯誤しながら運営をしていきますので至らない点があろうかと思いますが、なにぶんご理解の上ご協力頂ければ幸いです。みなさんよろしくお願いいたします。

第4回ネット句会 講師選発表!

第4回ネット句会、俳句大学の講師の永田満徳、五島高資、中山宙虫のお三方に選句をして頂きましたので下記にアップさせていただきます。

 

★永田満徳選

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 【特選】
54 永遠の戦後八月十五日 津野利行
「戦後が終わった」と言って、戦前の時代を忘れよう、忘れようとした未来志向の風潮があった。ところが、最近の戦前回帰の動きが加速化されるのを見るにつけ、「戦後」の平和の歩みを忘れることなく継続しなければならないことを痛感させられる句である。

 

【秀逸】
24 百物語隣でゆらり揺れる人 小島寿々
73 七月や改行キーの音させて 西村楊子
92 一口のゼリーを残す厭世家 山岸八萬星
161 喜びのはみ出してゐる燕の巣 谷原恵理子

 

【佳作】
55 百物語畳の黴の動きたり 坂上雲
90 梅雨晴やサンダル五足ためし履き 西村楊子
98 海のもの少しずつ盛る夏料理 熊谷房子
128 長梅雨やグリーンサラダにピンクペッパー 濱田美紀子
150 リビングに日課表あり夏休み 西村楊子

 

 

★五島高資選

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【特選】
144 炎天やスカイツリーへ回し蹴り 井伊辰也
連日の猛暑はつらいものがある。ビルが多い都会ではなおさらである。その象徴のようなスカイツリーへの回し蹴りに、やるせない暑さに対する俳諧性が躍如としている。


【秀逸】
101 坂道を駆け下る朝土用波 遠音
142 朝刊を配る足音梅雨寒し 手塚偉智朗
145 沙羅の花耳を澄まして咲いて散る 大久保俊克


【佳作】
5 初夏へ無人の気球浮き上がり 加藤絵里子
20 白南風や三代通う理髪店 佐藤日田路
65 夏燕村に一つの診療所 大関博美
69 ががんぼや過ち一つ思ひ出し 宮野緒幌
114 滝殿や水に打たれる男見る 亜仁子

 

 

★中山宙虫選

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【特選】
151 七月の魔女はタンゴを口ずさむ 小島寿々
魔女は実在の誰かかもしれないし、空想のなかにいるのかもしれないが、読者にいろいろと想像させる面白さがある。情熱のタンゴ。汗もよく似合う。七月、夏真っ盛り。これが八月ではなく七月なのがいい。きっと魔女は欲情に満ちた視線で腕を脚をからめてくるに違いない。口ずさむタンゴが愛憎からまる夏への序章となるのであろう。

 

【秀逸】
20 白南風や三代通う理髪店 佐藤日田路
108 滴りを分け合うてゐる命かな 井伊辰也
159 半夏生爪切る私生きている 坂上雲
183 蛍袋をノックしてみる雨夜かな 大関博美


【佳作】
34 引く綱や千年大河の夏祭り 檜鼻鬼旬
50 六月六日思い出したる絵描き歌 山中みきを
77 野良猫の五匹生まれてこどもの日 山中みきを
82 敗将の首塚一基木下闇 坂上雲
172 毒虫を喰らふ孔雀の目の涼し 野島正則

 

 

以上です。
お三方ありがとうございました!

【管理人:元 俳句大会通信教育学部ネット句会科/津野 利行】