第2回ネット句会 講師選発表!
第2回ネット句会、俳句大学の講師の永田満徳、中山宙虫両氏に選句をして頂きましたので下記にアップさせていただきます。
※5/28(木):五島高資氏の選句結果も下段に追記アップさせていただきました。
★永田満徳選
【特選】
84 子を産みて母の日がふと重くなり 小島寿々
子を持って初めて親の気持ちが分かると言われているので、類想感があると思われる。しかし、掲句の良さは「母の日」に母の重さを感じたことを「ふと」という措辞で表現されているところにある。
【秀逸】
14 顔の土拭ふ二塁手夕薄暑 井伊辰也
52 一頻り泣いて眠れる夕薄暑 佐藤日田路
166 女学生二の腕白き若葉風 茂木寿夫
【佳作】
19 捌かれし魚の目玉薄暑かな 西村楊子
25 じょうろ置く音軽やかに薄暑かな 宮野緒幌
100 母の日や兄は実母に似てきたる 河野巌
118 ミキサーに掛ける若葉の朝餉かな 菊池洋勝
147 若葉してベンチに食べる塩むすび 高橋亜紀彦
★中山宙虫選
【特選】
89 母の日やいびつなる子の塩むすび 熊谷房子
塩むすび。母から子へ伝えられていく一番身近な食べ物。日本人なら誰しも郷愁を覚えるものだろう。母の日と塩むすびの取り合わせは珍しいものでもないが、「いびつなる」が様々な状況を広げてくれて面白い。急激に母と子の関係も姿を変えていく。いびつな塩むすびで育った子が伝える塩むすびはどんな子を育てていくのだろうか。
【秀逸】
15 校庭にけんぱの声や薄暑光 岡本午睡
76 母の日や外階段の平和荘 西村楊子
168 ガリ版の鉱山哀史青山河 熊谷房子
【佳作】
25 じょうろ置く音軽やかに薄暑かな 宮野緒幌
43 女九人男二人の薄暑かな 津野利行
100 母の日や兄は実母に似てきたる 河野巌
110 若葉風陽の当たる道うたがはず 岡田直樹
160 若葉寒書道展への道聞きぬ 十河智
★五島高資選
【特選】
163 如意輪の三次曲線若葉風 佐藤日田路
如意輪観音像の特異な形状を「三次曲線」と捉えた感覚が鋭いと思った。しかも若葉風によってそれが観念に終わらず詩的昇華されている。
【秀逸】
14 顔の土拭ふ二塁手夕薄暑 井伊辰也
27 磔像の御顔に射しぬ薄暑光 高橋亜紀彦
40 薄暑光駆け回る子等声で追ひ 十河智
【佳作】
2 画材屋で青色探す夕薄暑 小島寿々
9 分岐点山頂見える薄暑かな 大久保俊克
12 半月のたちのぼっていく薄暑 加藤絵里子
13 採血の静脈褒めらるる薄暑 河野巌
116 校門の位置変はりたる若葉かな 河野巌
以上です。
お三方ありがとうございました!