俳句大学のネット句会用のブログです。このネット句会への参加資格は、Facebook内で俳句大学に「いいね」を押して頂いた方や俳句大学投句欄のメンバーの方、あるいは実際に俳句大学の講義を受講された方、またFacebookはやってないけどこのネット句会を知り、俳句大学の趣旨に賛同にして頂いた方(俳句大学の趣旨はリンク先の「俳句大学」のHPをご覧くださいませ)となっております。あまり固いことを言うつもりはございませんが、俳句が好きだけど様々な事情で句会に参加しにくい方や、所属する結社以外の方と句会を楽しんでみたい方など、多くのみなさんとこの場で句会を楽しんでいけたらと思っております。前記の条件だけで基本的にどなたでも参加可能ですが、一応大学と名乗らせてもらっている以上、ある程度の俳句の知識、そして向上心をもって取り組んで頂けたら幸いです。私自身もこの場でみなさんと一緒に楽しませて頂きたいと思っております。また試行錯誤しながら運営をしていきますので至らない点があろうかと思いますが、なにぶんご理解の上ご協力頂ければ幸いです。みなさんよろしくお願いいたします。

第1回ネット句会 講師選発表!

第1回ネット句会、俳句大学の講師の永田満徳、五島高資両氏に加え、今回はゲスト選者ということで同じく俳句大学の講師中山宙虫氏にも選をお願いさせて頂きましたので、お三方の選を発表させて頂きます。

 
★永田満徳

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【特選】
60 亀鳴くや汝を知れとソクラテス 清水憲一

 【秀逸】
11 新刊の匂いを嗅ぎぬ穀雨の日 小島寿々
50 孕み猫夕日に向かひ爪を研ぐ 茂木寿夫
86 閉鎖病棟保護室に入る飛花落花 高橋亜紀
102 薔薇の芽や素肌に男もののシャツ 俣江美智子

 【佳作】
9 雑巾を二枚そろへて新学期 西村楊子
34 新顔の名札光りて花見酒 坂上雲
71 行く春や指輪外してまた嵌める 高橋亜紀
96 きみ去なば世にひとなしや鳳仙花 岡田直樹
109 永き日やをんなが紅を塗り直す 高橋亜紀


特選句は「汝を知れ」と言われても、知ることができないのだと言わんばかりの句で、「亀鳴く」がソクラテス箴言を皮肉に捉えていることを示している。

 

 

★五島高資

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【特選】
53 足裏に心臓のつぼ春愁ひ 津野利行

 【秀逸】
82 黄昏るる風のかたちに花の塵 岡田直樹
9 雑巾を二枚そろへて新学期 西村楊子
25 完新世花塵ふつふつ積もりゆく 佐藤日田路

 【佳作】
11 新刊の匂いを嗅ぎぬ穀雨の日小島寿々
38 書架に置く解体新書風光る 井伊辰也
69 ふらここを漕ぎて初恋終わらせる 坂上雲
71 行く春や指輪外してまた嵌める 高橋亜紀
99 天窓に桜蘂降る診察台 茂木寿

 

特選の句評です。「身体を流れるエネルギーの中継地点であるツボの位置に関する基準は、世界保健機関WHOによっても認められている。もっとも、足ツボは、経絡とは関係なく米国で開発された「フットチャート」が基になっている。心臓を司る主な部位は、左足の裏、中央よりやや上外方にあるそうだが、まだ科学的には詳しく解明されていない。専門家でないと作者にとってもその治療効果については覚束ないかもしれない。そうした心持ちと「春愁」がうまく共鳴していると思った。」よろしくお願い致します。

 

 

★中山宙虫

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【特選】
75 古民家のカフェになりたる春の道 濱田美紀子

 【秀逸】
12 真っ新な自由時間や石鹸玉 佐藤日田路
48 種袋サンバマンボと振りにけり 西村楊子
53 足裏に心臓のつぼ春愁ひ 津野利行

 【佳作】
16 新しき卒塔婆の揺れて糸桜 坂上雲
20 春深き新宿駅に迷いけり 宮野緒幌
43 新聞の見開きを割く桜かな 菊池洋勝
46 千本の花の無情をやり過ごす 佐藤日田路
82 黄昏るる風のかたちに花の塵 岡田直樹
83 八重桜今はあんたの方が好き 茂木寿夫

 

特選句。最近、思わぬところで見かける古民家カフェ。春の道の明るさの中新装オープン。生まれ変わった古民家の姿が生き生きと映しだされます。逆に明るさの中、古民家の内部の薄暗さも見えてくる。次の春もこの姿で営業していてもらいたいですね。

 

 以上です。
お三方ありがとうございました!

【管理人:元 俳句大会通信教育学部ネット句会科/津野 利行】